同じ速度で走っていても、シューズを替えると歩幅やフォームが変わることがあります。 あるシューズでは、自然に歩幅が大きくなる。 別のシューズでは、歩幅が小さくなり、脚の回転が速くなる。 このページでは、シューズによって自然に現れやすい歩幅を「設定歩幅」と呼び、二足のランニングシューズを同じ速度で履き比べた結果を紹介します。
シューズを替えると、同じ速度でも歩幅とフォームが変わります
ランニングシューズは、クッション材の厚さ、踵とつま先の高低差、ソールの硬さ、曲がる位置などがそれぞれ異なります。 そのため、同じ人が同じ速度で走っても、使用するシューズによって足を振り出す位置や着地位置が変化します。 このページでいう「設定歩幅」とは、シューズを履いて走ったときに、その構造によって自然に現れやすくなる一歩の長さです。
「設定歩幅」は一般的なシューズメーカーの用語ではありません。 シューズの違いによって、同じ人の歩幅やフォームが変化する現象を説明するため、このページで使用している呼び方です。
二足のシューズを、同じ時速10kmで履き比べました
比較したランニングシューズ
比較に使用したのは、次の二足です。 ・アシックス GT-2000 7 ・ミズノ WAVE RIDER 22 同じ人がそれぞれのシューズを履き、時速10kmで走ったときのフォームを観察しました。

左右のイニシャルコンタクトを比較しました
走行速度は、どちらも時速10kmです。 右足と左足が最初に路面へ触れるイニシャルコンタクトを比較し、身体に対して足がどの位置へ着地しているかを確認しました。

👉️イニシャルコンタクトとは|足が最初に路面へ触れる瞬間
GT-2000のほうが、WAVE RIDERより歩幅が大きくなりました
比較した結果、GT-2000を履いたときのほうが、WAVE RIDERを履いたときより歩幅が大きくなりました。 走っている人も速度も同じです。 変わったのは、使用したシューズです。 この比較から、歩幅は本人の意識や走り方だけで決まるのではなく、シューズの構造によっても変化することが分かります。
歩幅の大きいシューズと小さいシューズには、それぞれ役割があります
ランニングの歩幅は、自転車のギア比に似ています。 軽いギアでは、一回転で進む距離は短くなりますが、脚を動かしやすくなります。 重いギアでは、一回転で進む距離は長くなりますが、動かすために大きな力が必要です。 ランニングでも、歩幅の小さいシューズは、登り坂やゆっくりしたペースで脚を回しやすくなります。 歩幅の大きいシューズは、一歩で進む距離が伸びるため、速度を出しやすくなることがあります。

自分に合わない歩幅で走ると、疲労や足の負担が大きくなります
歩幅が大きいシューズほど、すべてのランナーが速く楽に走れるとは限りません。 自分が無理なく動かせる範囲を超えて歩幅が大きくなると、足を必要以上に前へ振り出すことになります。 身体から離れた位置へ着地すると、着地の衝撃を受けやすくなり、次の一歩へ移るためにも大きな力が必要です。 その結果、早く疲れたり、ふくらはぎ、すね、足裏などへ負担が集まったりすることがあります。
痛みが出るときは、シューズを替える前後の歩幅を比べます
シューズを替えてから痛みが現れたときは、クッション性やサイズだけでなく、歩幅の変化も確認します。 ・以前より足が前へ出ていないか ・身体より遠い位置へ着地していないか ・同じ速度でも疲れやすくなっていないか ・登り坂で脚を動かしにくくなっていないか ・シューズを戻すとフォームや痛みが変わるか 走り方を意識して直す前に、シューズによって自然に作られている歩幅を比較します。
シューズは、目的と走る条件に合わせて選びます
歩幅の小さいシューズと大きいシューズのどちらが優れている、という話ではありません。 登り坂、ゆっくりしたジョギング、スピードを出す走行では、適した歩幅が異なります。 シューズを選ぶときは、製品の性能だけでなく、実際に履いたときの歩幅、着地位置、疲れ方を確認します。 自分の動かせる歩幅と、シューズによって作られる歩幅が合っていることが大切です。
まとめ|シューズの違いによって、同じ速度でも歩幅は変わります
同じ人が同じ速度で走っても、使用するシューズによって歩幅とフォームは変化します。 今回の比較では、GT-2000を履いたときのほうが、WAVE RIDERを履いたときより歩幅が大きくなりました。 歩幅の大きさには、それぞれメリットがあります。 大切なのは、シューズによって作られる歩幅が、自分の身体、速度、走る場所、目的に合っているかです。
👉️イニシャルコンタクトとは|接地位置を確認する
👉️シューズの角当たりとは|踵のエッジが足首や膝をねじる仕組み
👉️足の痛みを、足部の構造と動きから考える
