カテゴリー: 検査・セルフケア・用具の工夫

足の状態や動き方を確認する検査、日常でできるセルフケア、シューズや靴下など用具の工夫についてまとめています。

  • シューズのセンター

    シューズの中心は、どこにあるのでしょうか。 真上から見たときの中心。 靴底から見たときの中心。 実は、この二つは同じ位置にあるとは限りません。 足の裏とシューズは、つま先まで一直線ではなく、内側へ少し曲がった形をしています。 そのため、見た目だけでシューズを正面へ向けると、足と靴底の中心がずれ、小指が当たったり、足首がねじれたりすることがあります。 このページでは、シューズの中心線と、足をシューズへ入れる方向について解説します。

    真上から見た中心と、靴底から見た中心は少しずれています

    シューズを真上から見ると、踵からつま先までを結んだ中央が、シューズの中心に見えます。 しかし、靴底から見ると、地面へ接する部分は少し曲がっています。 自転車用のシューズでは、この違いが分かりやすく現れます。 アッパーの見た目を基準にした中心線と、靴底の接地面を基準にした中心線は、同じ方向を向いているとは限りません。
    シューズを真上から見たときの外形と、中心に見える方向を示した比較画像
    シューズを靴底側から見て、地面へ接する部分の中心線を確認した画像
    真上から見たシューズの中心と、靴底から見た接地面の中心が少し異なることを示した画像

    床の線には、靴底の接地面から見た中心を合わせます

    床に引いた直線へシューズを合わせるとき、アッパーの見た目だけで正面を決めると、Aのような向きになります。 一方、靴底の接地面にある中心線を床の線へ合わせると、シューズはBのように少し外を向いて見えます。 見た目では斜めに感じても、靴底の形から考えると、Bがシューズ本来の進行方向です。
    床の直線に対して、見た目の中心を合わせたAと、靴底の中心を合わせたBの違いを示した図
    床の基準線とシューズの靴底側の中心線を重ね、シューズ本来の向きを確認した画像

    足は、シューズの靴底が向いている方向へ入れます

    シューズを履く方向は、アッパーが正面を向いて見えるAではなく、靴底の中心線と足の中心を合わせるBです。 足の裏は、踵からつま先まで一直線ではありません。 踵から外側を通り、前足部で親指側へ戻るように、ブーメランに似た曲線を描いています。 シューズも、その足裏の形に合わせて少し曲げて作られています。
    シューズへ足を入れる方向をAとBで比較し、靴底の中心へ足を合わせる方向を示した画像
    シューズへ足を入れる方向
    足裏の曲線とシューズの曲がった形を重ね、足を収める位置を示した画像
    足の中心線とシューズの中心線を合わせたときのセット位置を示した画像

    同じ26cmでも、メーカーによって靴底の形は異なります


    下の画像は、ナイキとアシックスの、どちらも26cmのランニングシューズから取り出したインソールです。 写真左がナイキ、右がアシックスです。 表示されているサイズが同じでも、前足部の曲がり方、外側の張り出し、親指と小指を収める位置は異なります。 サイズ表記だけではなく、足裏の形とインソールの形を重ねて確認します。
    同じ26cmであるナイキとアシックスのインソールを並べ、足を収める形と中心線の違いを比較した画像

    小指が当たるときは、足幅だけでなく足を入れる方向を確認します

    シューズに小指が当たると、足幅に対して靴が狭いと考えがちです。 しかし、足をシューズへ入れる方向がずれていることで、小指が外側へ押し出されている場合があります。 Aの方向へ足を入れると、足の外側とシューズの外側が早い位置で重なり、小指側に使える幅が狭くなります。 Bの方向へ足を入れると、足の曲線とシューズの曲線が重なり、小指を収める空間が広くなります。
    足をAの方向へ入れたことで、小指がシューズの外側へ当たりやすくなった状態を示した画像
    Aの方向では、小指側の幅が狭くなります
    足をBの方向へ入れ、足と靴底の曲線を合わせることで、小指側の空間が広がった状態を示した画像
    Bの方向では、小指側の空間を使えます

    足とシューズの中心線を一致させて履くのが基本です

    足裏の中心は、踵の中心と、前足部の人差し指付近を結んだ線を目安にします。 この足の中心線と、靴底の中心線を一致させて履きます。 つま先だけを正面へ向けるのではなく、踵から前足部までがシューズの設計された位置へ収まっているかを確認します。
    踵の中心と前足部を結び、足裏の中心線と進行方向を確認するためのフットプリント画像
    足裏の中心線を確認します

    中心がずれると、シューズの中で小指と足首の位置が変わります

    シューズを履く方向がずれると、小指がアッパーへ当たりやすくなります。 小指球がインソールの外へ落ちると、足の外側を十分に支えにくくなります。 さらに、足と靴底が異なる方向を向いたまま歩いたり走ったりすると、シューズの中で足首がねじられます。 小指の圧迫だけでなく、足首、すね、膝へ負担が伝わる一因になります。
    足とシューズの中心線がずれ、小指側がインソールの外へ寄った状態を示した画像

    シューズの進行方向と、ドロップの方向がずれます


    シューズには、踵側を高く、つま先側を低くする高低差が設定されています。 この高低差は、身体を前方へ移動させる方向へ作られています。 足がシューズの中心からずれて入ると、足が進もうとする方向と、シューズの傾斜が導く方向が一致しません。 その状態で歩行やランニングを繰り返すと、足首へ回旋する力が加わります。
    足の進行方向とシューズに設定された踵からつま先への高低差がずれた状態を示した画像

    アーチサポートと荷重を誘導する位置もずれます


    シューズの中底は、すべてが平らに作られているわけではありません。 土踏まず側が高くなっていたり、外側から内側へ荷重を移しやすい形が作られていたりします。 これらの凹凸は、足のアーチを支え、足首の傾きを抑え、踵から小指側、親指側へ荷重を移す煽り運動を導くために設計されています。 足を入れる方向がずれると、本来は土踏まずを支える場所が別の場所へ当たり、荷重を誘導する方向も変わります。
    シューズ内部にあるアーチサポートの凹凸と、足を支える位置を示した画像
    靴底の内側と外側に設けられた高低差と、足の荷重位置の関係を示した画像
    シューズの中心に足を収めた場合のアーチサポートと足裏の位置関係を示した画像
    足の位置がずれたときに、シューズ内部の凹凸が本来と異なる場所へ当たる様子を示した画像
    踵から小指側を通り、親指側へ荷重を移して歩く煽り運動の流れを示した画像
    シューズの設計方向に沿って荷重を移します

    新品のシューズでは、アッパーの形が足の位置をずらすことがあります

    新しいシューズは、アッパーや補強材がまだ硬く、足の形に馴染んでいません。 足を入れたときにアッパーの硬さへ押されると、足が靴底の中心から外れた位置へ収まることがあります。 そのまま靴ひもを締めると、足はずれた位置で固定されます。 新品を使い始めるときは、足とシューズの中心線を合わせ、アッパーを整えてから靴ひもを締めます。
    新品シューズの硬いアッパーによって、足が靴底の中心からずれた位置へ収まる様子を示した画像

    まとめ|シューズは、見た目ではなく靴底の中心へ足を合わせます

    真上から見たシューズの中心と、靴底から見た中心は、同じ位置にあるとは限りません。 足の裏とシューズは、踵からつま先へ少し曲がった形をしています。 そのため、アッパーだけを正面へ向けて足を入れると、足と靴底の中心がずれることがあります。 確認するのは、 ・靴底の中心がどちらを向いているか ・踵と前足部がインソールの中心へ収まっているか ・小指がアッパーへ押しつけられていないか ・小指球がインソールの外へ落ちていないか ・シューズの傾斜と足の進行方向が一致しているか ・アーチサポートが土踏まずの位置へ当たっているか です。 小指が当たるときは、幅の広いシューズへ替える前に、足をシューズへ入れている方向を確認します。