足底腱膜炎のリハビリテーション|痛みの段階に合わせた進め方


足底腱膜炎のリハビリテーションは、現在の痛みと動作を確認し、足底腱膜が受け止められる負荷を少しずつ増やしていく作業です。

足底腱膜炎のリハビリは、

① 痛みを増やしている負荷を減らす
② 必要な部位の動きを整える
③ 足部と股関節の筋力を育てる
④ 片足荷重から歩行・スポーツへ戻す

この順番で進めます。
足底腱膜炎のリハビリテーションを解説する図
足底腱膜炎のリハビリで確認する足部の状態

足底腱膜炎の仕組みと痛みが起きる理由は、こちらで解説しています。

👉️ 足底腱膜炎(足底筋膜炎)を理解しよう


足底腱膜炎のリハビリは、負荷調整から動作復帰まで段階的に進めます

足底腱膜炎の回復段階を示す図
回復に必要な期間と運動の内容は、
痛みの強さ、生活で受ける負荷、運動歴によって変わります。

「発症から何日たったか」だけで決めず、

・歩行中の痛み
・運動後の痛み
・翌朝の一歩目
・片足で荷重したときの安定性

を確認しながら進めます。

回復期間の目安はこちらをご覧ください。

👉️ 足底腱膜炎が治るまでの期間


痛みの強い時期は、足底腱膜へ加わる負荷を減らします

歩くたびに強く痛む時期や、
歩行後・翌朝に痛みが増える時期は、負荷調整を優先します。

・歩行量や運動量を減らす
・長時間の立位を避ける
・痛みを増やす坂道や階段を減らす
・足裏を強く揉まない
・痛みを我慢して伸ばさない

運動を増やす前に、痛みが落ち着く環境を作ります。

熱感があるときは、状態を確認しながら冷却します

足底腱膜炎で痛む場所を冷却している様子
足裏やかかとに熱感がある場合は、
皮膚の状態を確認しながら冷却します。

冷却時間を一律に決めたり、復帰後も習慣として続けたりするより、
熱感や痛みの変化に応じて使います。

皮膚の感覚が低下している場合や、
血流に問題がある場合は、自己判断で冷却しないでください。

👉️ 足底腱膜炎のアイシングガイド

急性期の処置はこちらにまとめています。

👉️ 足底腱膜炎の急性期の処置


痛みが安定したら、必要な部位の動きを整えます

足底腱膜炎で確認する足首と下肢の柔軟性
ストレッチは、硬さが確認された部位を選んで行います。

足首、足指、股関節、腰部の動きには個人差があります。
すべての運動を一度に行う必要はありません。

運動中に足裏の痛みが増える場合は、
角度と強さを小さくするか、その運動を中止します。

足首と足指の動きを確認する運動

前脛骨筋周辺の動きを確認するときは、
正座に近い姿勢から足首の前面をゆっくり伸ばします。

足首や膝に痛みがある場合は、無理に正座姿勢を作らないでください。
正座姿勢で前脛骨筋周辺を伸ばす運動
足指の甲側を伸ばす場合は、
つま先を床へ軽く触れさせ、足首が横へ倒れない範囲で行います。

足指へ体重を強く乗せると負担が集中します。
小さな角度から始め、足裏と指の付け根の反応を確認してください。
足指伸筋群の動きを確認するストレッチ

股関節と腰部の動きを確認する運動

歩行中に骨盤や体幹の動きが小さくなると、
足部だけで動作を補いやすくなります。

股関節外側や臀部、腰部に明らかな硬さがある場合は、
次の運動を候補として使います。

反動をつけず、腰や膝に痛みが出ない範囲で行います。
大腿筋膜張筋周辺を伸ばすストレッチ
座位で臀部周辺を伸ばすストレッチ
仰向けで腰部と臀部をゆっくり動かすストレッチ

痛みの強い時期に避けたいストレッチは、こちらで解説しています。

👉️ 足底腱膜炎のやってはいけないストレッチ


筋力トレーニングは、低負荷から片足荷重へ進めます

足底腱膜炎の筋力トレーニングを示す図
足部と下肢の運動連鎖を確認する図
足底腱膜への負担は、
足部だけでなく、足首・膝・股関節・体幹の動きによって変わります。

筋力トレーニングでは、

① 寝た姿勢や座った姿勢
② 両足での荷重
③ 片足での荷重
④ 歩行・ランニングに近い動作

の順に負荷を増やします。

足部を支える筋肉の運動

足首を軽く下へ向けた状態から、
つま先をゆっくり内側へ動かします。

足首全体がねじれたり、足指だけに力が入ったりしない範囲で行います。

後脛骨筋の運動、足指の運動、踵上げなどから、
実際の動作に必要なものを選びます。
後脛骨筋周辺を働かせる足首の運動

股関節の運動は、横向きや仰向けから始めます

横向きになり、両膝を軽く曲げます。
骨盤が後ろへ倒れない範囲で、上側の膝をゆっくり開きます。

回数を増やす前に、
腰や足裏へ余計な力が入っていないか確認します。
横向きで股関節外旋筋群を働かせる運動
仰向けの運動では、両足で床を支え、
骨盤が左右へ傾かない範囲でお尻を持ち上げます。

足裏の痛みが増える場合は、
持ち上げる高さと足の位置を調整します。
仰向けで股関節と臀部を働かせるブリッジ運動

両足で安定したら、片足で支える運動へ進みます

両足で安定して行えるようになったら、
片足で支える運動へ進みます。

骨盤の傾き、膝の向き、足首の横ぶれを確認します。
フォームが崩れる場合は、両足の運動へ戻して負荷を調整します。
片足で行う股関節と臀部のブリッジ運動
かかとで床を支える運動では、
ハムストリングスと臀部を協調して使います。

膝の曲げ方や足の位置によって負荷が変わります。
小さな動作から始め、腰と足裏の反応を確認してください。
かかとで床を支えるハムストリングスと臀部の協調運動
膝の角度を変えて運動負荷を調整する様子

足部と股関節の運動は、実際の立ち方と歩き方を確認して選びます

アーチの見た目だけで、必要な運動は決まりません。

・片足で安定して立てるか
・膝とつま先の向きが大きくずれていないか
・体が前後左右へ傾いていないか
・足裏の一か所へ圧力が集中していないか

を確認し、その動作に必要な運動を選びます。

👉️ 足底腱膜炎の体のアライメントチェックと修正方法

足の傾きと全身の運動連鎖については、足部工学理論で詳しく解説しています。


運動中・運動後・翌朝の変化で、次の段階を決めます

運動を進めるときは、次の3つを確認します。

① 運動中
痛みが急に強くならず、フォームを保てるか。

② 運動後
痛みや熱感が明らかに増えていないか。

③ 翌朝
一歩目の痛みが前日より悪化していないか。

翌朝まで痛みが増えている場合は、
回数、強さ、歩行量のいずれかを一段階戻します。

歩行やスポーツへ戻る基準はこちらをご覧ください。

👉️ 足底腱膜炎の運動復帰の基準


靴・靴下・インソールも、足裏へ加わる負荷を左右します

運動が正しくできても、
靴の中で足が前へ滑ったり、片足で立つと体が傾いたりすれば、
足底腱膜へ同じ負担が繰り返されます。

・靴のサイズと幅
・シューズの摩耗
・中敷きの突起や変形
・靴紐とアッパーのフィット
・靴下を履いたときの片足立ち
・インソール使用前後の体の傾き

も一緒に確認します。

強い腫れやしびれ、荷重困難があるときは医療機関で確認します

次のような状態がある場合は、
運動を進める前に整形外科などの医療機関へご相談ください。

・足を床につけられない
・強い腫れや熱感が続く
・内出血や皮膚の変色がある
・しびれや感覚異常がある
・痛む場所にしこりを触れる
・明確な外傷のあとから痛む
・安静時にも強く痛む
・運動を減らしても症状が悪化している

まとめ|回復段階に合った負荷を少しずつ積み上げます

足底腱膜炎のリハビリは、

・痛みを増やしている負荷を減らす
・必要な部位の動きを整える
・足部と股関節の筋力を育てる
・両足から片足荷重へ進める
・運動後と翌朝の変化を確認する
・靴や靴下を含めた動作環境を整える

この順番で進めます。

運動の種類を増やすことよりも、
現在の状態に合った運動を選び、負荷を調整することが大切です。

足底腱膜炎の全体像へ戻る場合はこちら。

👉️ 足底腱膜炎(足底筋膜炎)を理解しよう

処置・靴・ストレッチ・復帰基準を目的別に探す場合はこちら。

👉️ 足底腱膜炎インデックス

本ページで紹介した運動は一般的な情報です。痛みの強さや既往歴によって適切な運動は異なるため、症状が強い場合は医師や理学療法士へご相談ください。

参考資料:日本足の外科学会「足底腱膜炎」/Heel Pain–Plantar Fasciitis: Revision 2023 Clinical Practice Guideline

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