歩き出すとき、前へ出した足のつま先は、少し外側を向くことがあります。

ところが、歩行の最後に地面を蹴り出すときには、つま先は前を向いています。

外向きに着いた足が、蹴り出すときには前を向く。 この向きの変化は、 足裏で荷重する場所が移動することによって起こります。 この一連の動きを、 足の「あおり運動」と呼びます。
足の向きが変わるのは、足裏で荷重が移動するためです
歩行中の足裏では、同じ場所に体重がかかり続けているわけではありません。
かかとから着地した荷重は、足の外側、小指の付け根、親指の付け根へと移動し、最後は親指側から前方へ抜けていきます。
この荷重移動によって、着地時には少し外を向いていた足が、蹴り出しに向かって前方へ回り込みます。

あおり運動は、かかとの外側から始まります
1.かかとの外側で着地する
歩行では、前へ出した足のかかと付近から地面に触れます。このとき、荷重はかかとのやや外側から入り始めます。

2.足の外側と小指側で体重を受ける
かかとから入った荷重は、足裏の外側を通り、小指の付け根にある小指球へ移動します。
この段階では、足はまだ少し外側を向いています。

3.小指側から母指球へ荷重を移す
身体が足の上を通過すると、荷重は小指側から、親指の付け根にある母指球へ移っていきます。
この移動に合わせて、足とつま先の向きも前方へ変わります。

4.つま先を前へ向けて蹴り出す
最後に荷重が母指球と親指側へ移ると、足は前を向き、進行方向へ地面を蹴り出します。

かかとの外側から入り、小指側、母指球、親指側へと荷重を移す。この連続した動きが、足のあおり運動です。
足は着地時の衝撃を受け止めながら、次の一歩へ向けて身体を前へ運びます。
あおり運動が乱れると、つま先が外を向いたまま進みます
足裏の荷重が小指側から母指球へ移らないと、足は外を向いた状態から前方へ戻りにくくなります。
- つま先が外を向いたまま身体が前へ進む
- 母指球と親指側へ十分に荷重が移らない
- 足首や膝にねじれが伝わる
- 左右への身体の傾きやグラつきが大きくなる
このような歩き方は、一般にトーアウトと呼ばれます。
👉️トゥアウトとは|つま先が外を向く原因
足の向きが戻らない状態は、足や膝への負担につながります
つま先が外を向いたまま身体が前へ進むと、足裏の荷重線と身体の進行方向にずれが生まれます。
その状態が続くと、足部のアーチ、足首、スネ、膝などに、傾きやねじれを伴う負荷が伝わります。
- 足底腱膜付近への負担
- 内スネへの繰り返しの負担
- 親指の付け根に偏った荷重
- 足首や膝のねじれ
痛みの名称だけを見るのではなく、歩行中に荷重がどのように移動しているかを確認すると、足元から起きている動きを捉えやすくなります。
👉️足底腱膜炎(足底筋膜炎)を理解しよう
👉️シンスプリント(内スネの痛み)は仕組みを理解しましょう
あおり運動は、足の形ではなく歩行中の動きから確認します
足のアーチが高いか低いか、つま先が静止時にどちらを向いているかだけでは、あおり運動が行われているかは判断できません。
歩いたときに、かかとの外側から小指側、母指球へと荷重が移り、最後につま先が前を向いているか。その一連の流れを確認することが大切です。
足元から身体へ力が伝わる仕組みを知ると、つま先の向きや足の痛みを、別々の問題ではなく、一つの動きとして見ることができます。
👉️まぼろし工房の足部工学理論|足元から身体の動きを見る考え方



