ランニングの黒爪には、爪がシューズに当たることに加えて、ヒールリフト時に足指が前へスライドし、爪へせん断力が加わる動きが関係します。
このページでは、ソックスによって足指の動きが変わる様子と、ラクちんソックスが足部を安定させる仕組みを解説します。
黒爪では、ヒールリフト時の足指の動きを確認します
足が安定している状態でヒールリフトを行うと、踵が持ち上がっても、足指は前へ伸びず、その場で床を捉えます。

次の画像は、普段使用していた五本指のランニングソックスを履き、同じ条件でヒールリフトを行ったときの様子です。
足指は床を捉える方向へ動かず、前方へスライドしました。

足指が床を押そうとする力と、前へスライドする力が同時に働くと、爪には互いにずれる方向の「せん断力」が加わります。
この動きがランニング中に繰り返されることで、爪の下に出血が起こり、黒爪につながります。
ソックスの違いで、足指の前方スライドは変わりました
今回の比較では、素足のヒールリフトで足指の前方スライドは見られませんでした。
使用していた五本指ランニングソックスでは、足指が前へ伸びる動きが観察されました。
ラクちんソックスを着用すると、足指は前へスライドせず、床を捉える方向へ動きました。

同じ人が、同じ動作を行っても、ソックスによって足指の動く方向は変わります。
まぼろし工房では、この違いを、ソックスが足部アーチや前足部の動きに影響した結果として捉えています。
足指が前へ伸びる背景には、足部アーチの変化があります
足部アーチが低下して足首が内側へ倒れ込むと、足の骨格は前後方向へ広がり、足指が前へ伸びやすくなります。

次の画像は、素足と五本指ソックスを着用したときの、足の形の違いです。
五本指ソックスを履いた状態では、足指が前方へ伸び、足全体の長さにも変化が現れています。

足が内側へ倒れると、つま先は外へ向きます
足部アーチが低下し、足首が内側へ倒れ込むと、前足部は外側へ向きを変えます。
その結果として、つま先が外を向くトゥーアウトが起こります。

つま先が外を向いた状態では、ヒールリフトを行ったときに、踵をまっすぐ上へ持ち上げにくくなります。

踵が斜めに上がると、足指は床を押しにくくなります
踵がまっすぐ上がると、足底腱膜を巻き上げて足部をひとまとまりにする、ウインドラス機構が働きます。
踵が斜めに上がると、足指と踵の方向がそろいにくくなり、足部を固める働きも弱くなります。

足部が安定しない状態で蹴り出すと、足指は床へ力を伝える代わりに、前方へスライドしやすくなります。
ヒールリフト時には、静止しているときよりも足指の伸びが大きくなります。

足部を固める鍵が、ミッドターサル・ロッキングです
人の足は、片足で立つときや地面を蹴り出すときに、荷重へ合わせて形を変えます。 着地では柔軟に衝撃を受け止め、蹴り出しでは足部を固くして、身体を支えるレバーとして働きます。
このように、足部をひとまとまりに安定させる働きが、ミッドターサル・ロッキングです。

ミッドターサル・ロッキングが働くと、足部はひとまとまりに安定し、踵はまっすぐ上へ持ち上がります。
足指も前へ滑る動きから、床を捉える動きへ切り替わりやすくなります。
ラクちんソックスは、足部ロックを使いやすくする構造です
まぼろし工房では、足部を安定させるために、次の三つの条件を重視しています。
・小指が自由に働けること
・第1指から第4指が、必要なときにまとまって動けること
・薬指が外側へ流れず、前足部のねじれを強めにくいこと
ラクちんソックスは、小指だけを独立させ、残る四本の指を一つの袋へ収めることで、この条件を整えています。
足部のロックが働きやすくなると、踵はまっすぐ上がり、足指は前へスライドする動きから、床を捉える動きへ変わります。
ラクちんソックスは、爪だけを保護するのではなく、黒爪につながる足指と踵の動きを整えることを目的に開発したランニングソックスです。
まとめ|黒爪を、足部の動きから確認します
黒爪には、シューズのサイズや爪との接触、シューズ内での足の滑りなど、複数の原因が関係します。 その中の一つが、ヒールリフト時に足指が前へスライドし、爪へせん断力が繰り返し加わる動きです。
まぼろし工房では、黒爪を、爪だけでなく足部アーチ、踵の軌道、足指の動きを確認するためのサインとして捉えています。 素足、普段使用しているソックス、シューズを履いた状態でヒールリフトを行い、踵がまっすぐ上がるか、足指が前へ伸びていないかを確認してみてください。
黒爪を、爪だけでなく足部全体の動きから考える仕組みは、まぼろし工房の足部工学理論で詳しく解説しています。

