【研究報告】工学から見た「変形性膝関節症」:なぜ靴下で膝の悩みが変わるのか?


筋トレを続けても膝の痛みが変わらないときは、筋力だけでなく、歩いたときに足元から膝へどのような力が伝わっているかも確認します。 まぼろし工房では、30年にわたり医療現場と並行して競技用具の調整を行ってきました。 身体は医療で整え、シューズや靴下などの用具は工学から考える。 このページでは、足のアーチ、ニーイン・ニーアウト、歩行時の左右バランスから、膝への負担を考えていきます。

筋トレしても膝の痛みが変わらないときは、足元の動きも確認します

歩くとき、地面、シューズ、足、スネ、膝は、一つの動きとしてつながっています。 足元のアーチが低下すると、身体を支える位置や、歩いたときの重心移動も変わります。 その動きは足首からスネ、膝へと連動するため、膝そのものと一緒に、足元で何が起きているのかを確認します。

足元の崩れの一つが、アーチの低下です

小指が内側を向く内反小趾や寝指などによって、足の外側で身体を支えにくくなると、足のアーチは内側へ倒れ込みやすくなります。 この足元の変化が、歩行中の身体の傾きや膝の動きにもつながっていきます。

足元の傾きは、膝のニーイン・ニーアウトへ連動します

歩行中に身体の重心が左右へ移動すると、足首、スネ、膝もその動きに合わせて位置を変えます。 膝が外側へ動くニーアウトと、膝が内側へ入るニーイン。 どちらも膝だけで起きている動きではなく、足元から身体へ続く運動連鎖の中で確認します。

ニーアウトと外側動揺

歩行時に膝が外側へ動くと、身体にも左右方向への動きが生まれます。 このような外側への動揺が、どのように足元から起こるのかを、別ページで詳しく説明しています。

ニーインと膝のねじれ

膝が内側へ入るニーインでも、足首の傾きやつま先の向きと膝の向きに差が生まれると、膝にはねじれる方向の力が加わります。 膝の動きだけを意識するのではなく、足元がどの方向へ傾き、身体がどこへ移動しているのかを一緒に確認します。

足元のグラつきを確認すると、膝への力のかかり方が見えてきます

片足で身体を支えたときに大きくグラつくと、その姿勢を戻すために身体には補正する動きが必要になります。 そこで、まず片足立ちを使って、足元の条件によって身体の傾きが変わるかを確認します。

靴下の違いでも、歩行時の左右バランスは変わります

開発したラクちんソックスは、衣類としてだけではなく、足指の動きや重心移動に関わる用具として検証しています。 開発試験では、靴下を履き替えることで、片足立ちや歩行時の左右バランスに違いが現れることを確認しています。 つまり、膝の動きを考えるときには、筋力や身体だけでなく、身体と地面の間にある用具も確認する対象になります。

20年後も歩き続けるために、膝と足元を一緒に確認します

筋トレは、身体を支える力をつくる大切な方法の一つです。 そこに、足元のアーチ、身体の左右の傾き、ニーイン・ニーアウト、シューズや靴下などの用具という視点を加えると、歩いたときに膝へどのような力が加わっているのかを、もう少し細かく確認できます。 痛む膝だけを見るのではなく、足元から身体へ力が伝わる仕組みを見る。 それが、まぼろし工房で行っている工学的な考え方です。