カテゴリー: 検査・セルフケア・用具の工夫

足の状態や動き方を確認する検査、日常でできるセルフケア、シューズや靴下など用具の工夫についてまとめています。

  • 新品のシューズは要注意

    新品のランニングシューズに替えた直後、かかとの横、スネ、足裏、膝に痛みが出ることがあります。 このとき、足の筋力やランニングフォームだけでなく、シューズの形と転がる方向も確認します。 新品のシューズは、まだ足に馴染んでいないためです。

    新品のシューズは、まだ誰の足にも馴染んでいません

    シューズを新しくする目的は、すり減った底やクッションを新しい状態へ戻すことです。 ただし、新品のシューズには、まだ自分の足による「当たり」がついていません。 特に確認したいのが、踵を包むヒールカップと、地面に接する踵部分です。

    踵の当たりがつく前は、シューズが斜めに転がることがあります

    新品の状態では、踵の角やクッション材がまだ十分に沈んでいません。 そのため、着地する位置によっては、シューズが予定していない方向へ転がることがあります。
    新品のランニングシューズで踵の一部が沈まず、着地したときにシューズが斜め方向へ転がる様子を示したアニメーション
    踵の一部が沈んでいないと、シューズは安定した方向へ転がりません。
    新品のランニングシューズの踵部分に体重をかけても、一部のクッション材が沈んでいない状態を確認している画像
    緑の丸で囲んだ部分が沈まず、角として残っています。

    シューズの倒れ方が変わると、足首や膝の動きも変わります

    シューズが斜めに転がると、その上に載っている足も同じ方向へ動きます。 足の向きが変われば、足首や膝にもねじれが加わります。 小さな変化でも、歩行やランニングでは同じ動作が何度も繰り返されます。

    新品のシューズで、着地の向きが変わった例

    次の画像は、かかとの横とスネの外側に痛みがあった中学生ランナーの着地です。 シューズを履かない状態では、つま先は進行方向を向いていました。
    中学生ランナーがシューズを履かずに着地し、つま先が進行方向を向いている様子を後方から確認した比較画像
    シューズを履かない状態では、つま先は進行方向を向いています。
    新品のシューズを履くと、着地したときのつま先が内側を向きました。
    中学生ランナーが新品のランニングシューズを履いて着地し、つま先が内側を向いて膝との向きに差が生じている比較画像
    新品のシューズでは、つま先が内側を向く「トゥーイン・ニーアウト」が見られました。
    この場合、変わったのは走り方の意識ではありません。 シューズを履いたことで、着地後に足が誘導される方向が変わっています。

    新品へ替えたときは、サイズと屈曲位置も変わります

    新品のシューズで痛みが出たときは、「馴染んでいないから」と決めつけず、サイズと足が曲がる位置も確認します。 次の例では、シューズを新しくしたあと、親指と足の裏にピリピリとした症状が出ました。 シューズの表記サイズは26.5cmでした。
    親指と足裏に違和感が出たランニングシューズのサイズ表記が26.5センチであることを確認している画像
    インソールを取り出して測ると、長さは27.6cmありました。 本人の足長は25.6cmです。
    表記サイズ26.5センチのランニングシューズから取り出したインソールを測り、長さが27.6センチあることを確認している画像
    表記サイズだけでは、シューズ内部の長さや足が動く量までは分かりません。
    シューズが大きくても、足が前へ滑れば、つま先はシューズの先端に当たります。 この例では、ベロの角度とアッパーの形によって、足が前へずれ込んでいました。

    シューズが曲がる方向も確認します

    シューズには、足の指と一緒に曲がる屈曲面があります。 この屈曲面が斜めを向いていると、蹴り出すたびに足も同じ方向へ誘導されます。
    ランニングシューズを曲げたときに屈曲面が外側へ斜めに向き、足を蹴り出す方向にも影響する状態を確認した画像
    屈曲面が外側へ向いた状態。
    ランニングシューズを曲げたときに屈曲面がまっすぐ前を向いている状態を比較するために撮影した画像
    屈曲面が正面を向いているシューズとの比較。

    新品のシューズは、走る前に3つの動きを確認します

    新品のシューズを履く前に、次の3点を確認します。
    • 踵を押したとき、シューズがどちらへ転がるか
    • 靴紐を緩めて足を入れたとき、踵がヒールカップに収まるか
    • シューズを曲げたとき、屈曲面が正面を向いているか
    そのうえで、短い歩行や軽い走行を行い、つま先の向きや身体の傾きを確認します。 いきなり長い距離を走るより、短い動作からシューズの反応を見たほうが、変化に気づきやすくなります。

    シューズの形を整えた前後の比較

    新品のランニングシューズの形を整える前後で走行フォームを比較し、足の流れる方向と着地位置の変化を示した画像
    Aは調整前、Bはシューズの形を整えたあとの走行です。
    まぼろし工房では、ヒールカップ、アッパー、ベロの位置を確認し、足がまっすぐ収まるようにシューズの形を整えます。 そのあと、片足立ち、歩行、走行を行い、足と膝がどちらへ動くかを確認します。

    休んでも繰り返すときは、同じシューズを見直します

    走るのを休むことで、痛みが一時的に軽くなることはあります。 ただし、痛みが出たときと同じシューズを履き、同じ方向へ足が誘導されれば、歩行やランニングを再開したときに同じ負担が繰り返されます。 休むことと、痛みを生んだ動作を確認することは、分けて考える必要があります。

    まとめ

    新品のシューズは、まだ自分の足に馴染んでいません。 痛みが出たときは、足の筋力だけでなく、踵の転がる方向、サイズ、足の滑り、屈曲面を確認します。 「新しいから大丈夫」ではなく、新しいときほど短い動作から確認することが大切です。