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  • アーチサポートで発生するトレードオフ

    アーチサポートで発生するトレードオフ

    インソールは、足底腱膜炎、後脛骨筋炎、シンスプリントなどで、痛む場所への荷重を調整し、損傷部を守るために役立つ道具です。

    その働きを十分に活かすために、足型や土踏まずの高さと一緒に、実際に使うシューズへ入れた状態で身体の動きを確認します。

    アーチを支えることで得られる機能と、身体の動きに生まれる変化。

    その両方を見ることが、インソールを選ぶ基準になります。
    インソールの注意点として、アーチを支える機能と身体の動きに生まれる変化を一緒に確認する重要性を示した画像

    インソールは、目的に合わせることで力を発揮します

    インソールには、市販品からオーダーメイドまで、さまざまな種類があります。

    痛む場所を休ませる、荷重を分散する、シューズとの隙間を整える、競技中の動きを支えるなど、製品によって役割も異なります。

    最初に目的を決めることで、今の足に必要な構造を選びやすくなります。
    足底腱膜炎や後脛骨筋炎、シンスプリントで荷重を調整し損傷部を守る目的に使うインソールの説明画像

    静止した足型と、動作中の足の働きを一緒に確認します

    足型を計測し、土踏まずの下にある隙間を埋める。

    内側アーチサポートは、静止した状態の足の形を整えます。

    片足で体重を支えると、足の形と身体の位置は変化します。

    そのため、立位、歩行、走行まで確認すると、インソールが動作の中でどのように働くかが分かります。
    インソールの内側アーチサポートで、静止した足型の土踏まずの隙間を埋めてアーチを支える構造を示した画像
    まぼろし工房では、アーチサポートを使った状態と、使わない状態で歩行を比較しました。

    この比較では、アーチサポートを付けたときに身体が外側へ傾きました。

    静止時には土踏まずが持ち上がっていても、動作時には身体全体の荷重位置が変化します。

    ここに、静止した「形」と、動作中の「物理」の違いがあります。
    インソールのアーチサポート使用前後で歩行中の身体の傾きを比較し、身体が外側へ移動した状態を示した画像

    損傷部を守る処置と、歩行を整える評価には、それぞれの役割があります

    捻挫や半月板損傷では、損傷した部分を休ませるため、状態に応じて足にかける体重を調整します。

    装具や松葉杖は、損傷部を守りながら回復を助けるために使われます。

    そのうえで、装具を付けたあとの歩行も確認します。

    損傷部を守る処置と、歩行中の身体の動きを整える評価を分けることで、回復の段階に合う選択ができます。

    オーダーメイドでも、シューズとの組み合わせで動作は変わります

    シューズの中には、もともと中敷きの形、底面の凹凸、踵の高さ、屈曲する位置があります。

    そこへインソールを入れると、二つの構造が重なり、足が受ける力も変化します。

    オーダーメイドと市販品のどちらも、実際に使用するシューズへ入れ、インソールの下面とシューズ内部の形が合っているかを確認します。
    オーダーメイドインソールをシューズへ入れるときに、インソール下面とシューズ内部の凹凸や形状を合わせて確認する画像

    ミニバスで膝の痛みがあった女の子の例


    次の例は、オーダーメイドで作成されたインソールを、普段使っていたバスケットシューズに入れ、片足立ちをしたときの様子です。

    シューズを履かない状態では、真っすぐ立つことができました。
    オーダーメイドインソールの評価で、膝の痛みがあったミニバス選手がシューズを履かず片足で真っすぐ立つ状態
    インソールを入れたバスケットシューズでは、片足で身体を支えるときの傾きが大きくなりました。
    オーダーメイドインソールを入れたバスケットシューズで片足立ちを行い、身体の傾きが大きくなった比較画像
    足型に合わせて作られたインソールも、シューズの構造と組み合わさることで、身体の動きに新しい変化を生みます。

    片足立ちや競技動作まで確認することで、そのインソールがシューズの中でどのように機能しているかを判断できます。

    内側の厚みは、土踏まずの高さと身体の傾きを同時に変えます

    市販のインソールには、内側を厚くして土踏まずを支える構造があります。

    沈み込むアーチの下に高さを加えると、静止した状態では土踏まずが持ち上がります。
    インソールの内側を厚くして土踏まずを持ち上げる一般的な内側アーチサポートの構造を示した画像
    インソールの内側アーチサポートで土踏まずを持ち上げたときに、身体の荷重位置と傾きを確認するポイントを示した画像
    内側から押し上げる力は、身体を外側へ移動させる方向にも働きます。

    身体が外へ傾くと、その傾きを支えるために、足は内側へ倒れ込み、アーチが低下することがあります。

    インソールを作る現場では、この反応を歩行や走行で確認しながら調整します。
    内側アーチサポートのインソールによって身体が外側へ傾く方向の力を受ける仕組みを示した画像
    市販品を選ぶときも、片足立ちや歩行を組み合わせることで、内側の厚みが身体の軸へ与える影響を確認できます。
    内側だけが厚い市販インソールを使ったときに、片足立ちで身体の傾きと足の動きを確認する説明画像
    実際の製作現場では、内側のアーチを持ち上げる高さと一緒に、外へ傾いた身体を中央へ戻すための「返し」を作り、全体のバランスを整えます。
    インソールでアーチを支える高さと、身体を中央へ戻す返しを組み合わせて全体のバランスを整える画像
    アーチを支えることで得られる機能と、身体のどの動きが変化するのか。

    この両方を見ることが、アーチサポートで発生するトレードオフを確認するということです。

    土踏まずの高さと、片足立ち、踵の軌道、歩行や走行を組み合わせることで、インソールを目的に合う形へ調整できます。

    最初の目的を、インソール選びの基準にします

    インソールは、痛みを減らす、損傷部を守る、歩きやすくする、競技を続けやすくするなど、最初の目的を達成するための道具です。

    使い始めたあとも、その目的に近づいているかを確認します。

    痛みの変化、片足立ちの安定、歩ける距離、競技中の動きなどを記録すると、インソールの役割が分かりやすくなります。
    インソールを選ぶ目的と、使用後に痛みや片足立ち、歩行や競技動作の変化を確認する評価方法を示した画像

    インソールは、実際に使うシューズへ入れて確認します

    インソールを選ぶときは、実際に使用するシューズへ入れた状態で、次の動作を確認します。
    • 片足で安定して立てること
    • ジャンプと着地で身体の軸を保てること
    • 歩行や走行で、目的の動作を行いやすいこと
    • 痛みや負担が、最初の目的に沿って変化していること
    静止した足の形を整えることと、荷重を受けながら動く足の機能を整えることには、それぞれの評価方法があります。

    形と動作を一緒に確認することで、インソールの特徴を活かしやすくなります。

    まとめ

    インソールは、目的に合う構造を選び、実際に使うシューズへ入れた状態で確認することで、その力を発揮します。

    土踏まずを支えると、足の形と一緒に身体の荷重位置も変化します。

    片足立ち、ジャンプ、着地、歩行、走行を加えることで、得られる機能と身体の動きに生まれる変化を確認できます。

    アーチの高さだけでなく、最初に解決したかった痛みや動作がどう変わったか。

    その結果を基準に、インソールを調整していきます。
    インソールを足の形だけでなく、荷重や身体の動きまで含めて考える仕組みは、まぼろし工房の足部工学理論で詳しく解説しています。