フォアフット走法│意識するのは後ろ足


フォアフット走法とは、足の前足部から接地する走り方です。

フォアフット接地は、意識して形を作るものではなく、走る速度や後ろ足の蹴り出しによって、自然に現れるものです。

フォアフット走法は、前足部から接地する走り方です

フォアフット走法では、足の前足部から接地します。 前足部から接地したあとに踵が地面へ触れることもあるため、踵をまったく着かない走り方ではありません。
ランナーが走行中に足の前足部から地面へ接地するフォアフット接地の位置と、踵との関係を横から示した解説画像
ランニングにおけるフォアフット接地と踵接地の違いを比較し、足が地面へ触れる位置を確認するための解説画像

フォアフット走法と「踵を着いてはいけない」は別の話です

かつて、ランニング雑誌や指導現場では、

「フォアフット走法は、怪我をしにくく速く走れる」
「ランニングでは、フォアフット接地が正しい」

といった説明が広まりました。

その一方で、 「踵を着くとブレーキになる」 「踵接地は間違い」 という見方も、一緒に広がってしまいました。
ランニングフォームにおける前足部接地と踵接地を比較し、フォアフット走法と踵を着かない走り方の違いを説明する画像

フォアフット接地は、速く走った結果として自然に現れます

走行速度が高くなることで、ランナーの接地位置が踵側から前足部側へ自然に変化する関係を説明した画像
ペリー博士の著書『歩行分析』では、時速19kmを超えて走るランナーの多くは、前足部から接地すると説明されています。 

また、そのようなランナーは、速度を時速12.5〜15.4kmまで落としても、前足部から接地する傾向があります。

つまり、トップランナーの多くは、意識してフォアフットにしているのではありません。

速く走るための身体の使い方が身についた結果として、接地位置も自然に変わっているのです。
走り方を意識してフォアフットへ変えるのではなく、速く走れる身体の使い方を身につけた結果として、フォアフット接地が現れます。

フォアフットで走るために見るのは、前足ではなく後ろ足です

フォアフットで走るコツは、接地する前足ではなく、地面を押している後ろ足にあります。 後ろ足で身体を真っ直ぐ前へ押し出せることが、最低限必要です。
フォアフット走法で前足が接地する前に、後ろ足が地面を押して身体を前方へ運ぶ動きを横から示した画像

後ろ足でまっすぐ蹴り出せること

ランニング中に後ろ足で地面を真っ直ぐ押し、身体を進行方向へ運ぶために必要な蹴り出しの向きを示した画像
これは、フォアフット走法だけに限りません。

どの接地方法でも、後ろ足が地面を押したときに、身体を進行方向へ真っ直ぐ運べることが必要です。
後ろ足の蹴り出す方向によって、ランナーの身体が前方または外側へ動く違いを比較したランニングフォームの画像

フォアフットはトゥー・コントロールが命綱

これは、素足と靴下を着用したつま先立ちの指の動きの違いです。

ランニングは物理です

形だけを「フォアフット」と呼ぶのであれば、話は別です。

しかし、フォアで蹴り出し、身体をまっすぐ前へ進めるためには、この足指の動きが必要になります。

まっすぐに前に蹴り出すことができないと

フォアのつま先の向きは意識でコントロールすることができません。これは体の傾きに応じた“体性反射”でコントロールされているからです。

真っ直ぐに蹴り出せないと、前へ出した足が外を向きます





腰高で走れない理由

空中姿勢が乱れると、飛行機に例えると着陸、着地が暴れます。
足の骨に乗った着地ができないと、体重を受け止めるまでの時間がかかり、腰落ちの原因になります。

👉️五本指ソックスで走るときに知っておきたいリスク
蹴り出すときに身体が外へ傾いたり、腰が回転したりすると、その反動によって前へ出した足が外側を向きます。 これが、つま先が外を向く「トゥーアウト」です。
後ろ足で蹴り出したときに身体が外側へ傾き、その反動によって前へ出した足のつま先が外を向く様子を示したアニメーション

つま先が外を向いたまま接地すると、足首・スネ・膝がねじれます

つま先が外を向いたまま接地すると、まず足首にねじれが加わります。 その動きはスネにも伝わり、シンスプリントや疲労骨折につながる負担が生まれます。
つま先が外を向いた状態で接地したときに、足首とスネの骨へねじれが伝わる仕組みを示したランニングフォームの画像
靴底が厚いシューズでは、地面と足との距離が広がるため、そのねじれが膝にも伝わりやすくなります。 この動きを、テーピングだけで止めることはできません。
厚底ランニングシューズでつま先が外を向いて接地したときに、足首から膝へねじれが伝わる様子を示したアニメーション

真っ直ぐに蹴り出せるか、つま先立ちで確認します

靴下を履いた状態で、つま先立ちをしてみてください。 このとき、踵が真上へ上がるかを確認します。 素足では踵を真上へ上げられても、靴下を履くと斜めに上がることがあります。
素足と靴下を履いた状態でつま先立ちを行い、踵が真上へ上がるか斜めに上がるかを後方から比較した画像
これは、靴下の張力によって足指の動きが変わるためです。 踵が斜めに上がる状態では、走るときの蹴り出しも斜めになる可能性があります。
一般的な靴下と足指の動きを妨げにくい靴下で、つま先立ちをしたときの踵の上がる方向を比較した画像

走るために必要な足指の動きから、靴下を作りました

一般的な靴下では、走るために必要な足指の動きが制限されることがあります。 そこで、真っ直ぐに蹴り出せる足の動きを残すために、ラクちんソックスを作りました。
足の小指を独立させ、走るときに必要な蹴り出しと足指の動きを妨げにくい構造で作られたラクちんソックスの画像
ランニング中に足指を使って真っ直ぐ蹴り出すための構造を説明した、ラクちんソックスと足の動きの解説画像

厚底シューズでキロ3分半の走行を比較しました

実業団選手に厚底シューズを履いてもらい、キロ3分半の速度で走ったときの身体の揺れを測定しました。 グラフは、後方から見た身体の左右への傾きを示しています。
実業団選手が厚底ランニングシューズを履き、キロ3分半の速度で走行したときの身体の左右への揺れを測定している画像

市販のレースソックス

実業団選手が市販のレースソックスを履き、キロ3分半で走行したときの身体の左右への傾きを示した測定グラフ

ラクちんソックス(走破)

実業団選手がラクちんソックス走破を履き、キロ3分半で走行したときの身体の左右への傾きを示した測定グラフ
市販のレースソックスのばらつき率は、約129%。 ラクちんソックスのばらつき率は、約89%でした。 今回の測定では、市販のレースソックスと比べて、走行リズムのばらつきが約31%小さくなりました。
走行時の身体のふらつきを抑え、真っ直ぐに蹴り出すための足指の動きを支えるラクちんソックスの製品画像

まとめ|接地方法より、真っ直ぐに蹴り出せることが先です

フォアフット接地は、意識して形を作るものではありません。 後ろ足で身体を真っ直ぐ前へ押し出せるようになり、走る速度が上がった結果として、自然に現れる接地方法です。 つま先が外を向く、身体が横へ傾く、踵が斜めに上がる場合は、前足の着き方よりも、後ろ足の蹴り出す方向を確認します。
ランニング用ソックスの締め付けによって小指の動きが制限され、蹴り出す方向や足元の安定性に影響する様子を示した画像
靴下を履いたときに踵が真上へ上がるか、片足立ちで安定していられるか。 まずは、素足と靴下を履いた状態で比較してみてください。
素足と靴下を履いた状態で片足立ちを行い、足元の安定性や身体のふらつきの違いを自分で確認する検査方法の画像