カテゴリー: 足の構造と動きのしくみ

足のアーチ、関節の動き、歩行や走行中に起きる体の変化など、足の構造と動きのしくみを解説しています。

  • 足を跳ね上げたとき、つま先が外を向く理由|フォーム改善は「意識」より「仕組み」

    ランニング中、前を走る人の足を見ると、跳ね上げた足のつま先が外を向いていることがあります。
    
    この動きは足先だけの癖ではなく、片足で身体を支えたときの傾きに対して起こるカウンタームーブメントとして確認できます。
    
    つま先の向きを変える前に、走行中の身体がどちらへ傾いているかを見ます。
    ランニング中に後方へ跳ね上げた足のつま先が外側を向いている様子。片足支持時の身体の傾きとの関係を確認するための画像

    身体が傾くと、反対側の足が外へ動きます

    人の身体は、片足で立っているときに体幹が左右どちらかへ傾くと、反対方向へ手足を動かしてバランスを取ります。
    
    この反応を、カウンタームーブメントといいます。
    
    片足支持の状態で身体が外側へ傾くと、空中にある反対側の足が外へ動きます。
    
    その動きが、跳ね上げた足のつま先が外を向く形として現れます。
    片足で身体を支えたときの体幹の傾きと、空中にある反対側の足が外へ動くカウンタームーブメントの関係を示した説明画像
    意識して作っている動きではありません。
    
    身体が転ばないように、無意識に姿勢を調整した結果です。

    つま先だけを直しても、身体の傾きは残ります

    片足で身体を支えたときに体幹が外側へ傾けば、空中にある足にも、それを補う動きが起こります。
    
    そのため、つま先をまっすぐ上げようと意識したり、テーピングで足先の向きを固定したりしても、身体の傾きが残っていれば、別の部分に補正動作が現れます。
    
    確認するのは、次の三つです。
    
    ・跳ね上げた足のつま先がどちらを向いているか
    ・片足支持のとき、体幹がどちらへ傾いているか
    ・左右で足の跳ね上がり方に違いがあるか

    計測では、身体の傾きとつま先の向きが連動しました

    ラクちんソックスの試験では、走行中の身体の傾きと、跳ね上げた足の向きを同時に確認しました。
    
    映像と計測結果を比較すると、身体が外側へ傾いた場面で、反対側の足とつま先が外へ向く関係が確認されました。
    ランニング中の身体の左右への傾きと、後方へ跳ね上げた足のつま先が外側を向く動きを比較した試験画像
    この関係は片側だけではなく、身体が右へ傾いた場合と左へ傾いた場合の、どちらにも現れています。
    靴下の条件を変えて走ったときの身体の傾きと、後方へ上がった足のつま先の向きを左右で比較した画像

    つま先の向きを拡大して比較

    後方へ跳ね上げた足を拡大し、つま先が外側を向いている状態と前方を向いている状態を比較した画像
    足先だけを見ると、つま先が外へ向いたように見えます。
    
    身体全体を見ると、その前に体幹の傾きが起きています。

    靴下を変えると、身体の傾きにも違いが現れました

    次のグラフは、同じ人が同じ速度、同じ走行条件で、靴下だけを変えて走ったときの身体の傾きを表しています。
    
    靴下の条件を変えただけでも、左右への身体の傾きに違いが確認されました。
    同じ走行条件で一般的な靴下とラクちんソックスを履き比べ、走行中の身体の左右への傾きを比較した計測グラフ
    この結果からも、つま先の向きは足先だけで決まるのではなく、足元で身体を支える状態や、走行中の左右へのグラつきと関係していることが分かります。

    つま先の向きは、走行中の傾きを知らせるサインです

    つま先が外を向いているという事実だけで、ランニングフォームの良し悪しを判断することはできません。
    
    ただし、跳ね上げた足のつま先の向きは、片足支持のときに身体が左右へグラついているかを知る手がかりになります。
    
    つま先をまっすぐに直す前に、次の状態を確認します。
    
    ・左右どちらかへ身体が傾いていないか
    ・骨盤や肩が片側へ移動していないか
    ・左右で片足立ちの安定性が違わないか
    
    つま先の向きを身体の状態を知らせるサインとして見ると、動きがどこから始まっているのかを確認できます。
    本製品は、足元の動作環境を最適化し、歩行や走行時の負担を軽減するための課題解決の道具(Footwear System)として開発されています。