ランニングで疲れやすい。腰が落ちる。走っている姿が上下に跳ねて見える。 そんなときは、筋力だけでなく、走っているときに身体が左右へ傾いていないか、着地で腰が大きく沈み込んでいないかを確認します。 身体が一度大きく沈めば、その身体をもう一度持ち上げる動きが必要になります。 このページでは、ランニング中の上下動を「左右の傾き」と「腰落ち」の二つに分け、片足立ち、靴下、シューズの順番で確認していきます。
ランニングの上下動が大きいと、身体をもう一度持ち上げる動きが増えます
ランニングの腰落ちとは、着地したときに腰の位置が大きく沈み込む状態です。 一度沈んだ身体は、そのままでは前へ進めません。次の一歩へ移るためには、沈んだ身体をもう一度持ち上げる必要があります。 つまり、前へ進む動きに加えて、上下方向の動きが増えます。 足がつる、脚が早く疲れるというときも、ミネラルなどの身体条件と一緒に、余分な上下動が起きていないか確認してみます。

まず「接地」と「着地」を分けて、腰が沈むタイミングを見ます
このページでは、「接地」と「着地」を分けて身体の動きを観察します。 飛行機にたとえると、タイヤが地面に触れた瞬間が「接地」です。この時点では、まだ機体は前へ進んでいます。 その後、機体の重さが地面へ移っていきます。 ランニングでも、前に出した足が地面に触れた瞬間と、身体の重さがその足へ乗り、頭や腰の位置が低くなるタイミングを分けて見ます。 このページでは、後者を「着地」として観察しています。
腰が落ちるとは、着地したときの腰の位置が低い状態です
ここで難しいのが、「どの高さが普通なのか分からない」ということです。 自分の感覚だけでは判断しにくいため、走っている姿を横や正面から動画で撮影すると、腰や頭がどのタイミングで沈んでいるのか確認しやすくなります。
身体が傾くと、着地で身体を支えるまでの動きが大きくなります
身体が左右どちらかへ傾いていると、足は傾いた身体を支えながら着地することになります。 そのため、身体の落下を支えるまでの動きが大きくなり、腰や膝も沈み込みやすくなります。 外から見ると、 ・腰が落ちている ・膝が落ちている ・着地位置が身体の真下にない ・着地が遅く見える といったフォームとして現れます。

最初に、片足立ちで身体の初期角度を確認します
まず、素足で片足立ちをしてみてください。 そのまま片足で、つま先立ちをします。 身体がまっすぐ立っていれば、踵を上げたときも身体は真上へ上がりやすく、その位置を保ちやすくなります。 片足立ちの時点で身体が大きく傾いていると、つま先立ちでバランスを崩しやすくなります。 このページでは、まず筋力よりも、動き始める前の「身体の初期角度」を確認します。
👉️片足立ち検査|足元の安定性を確認する方法
次に、靴下を履いて同じ片足立ちをします
次に、普段使っている靴下を履いて、同じ片足立ちとつま先立ちをしてみてください。 靴下の違いによって、片足立ちやスクワットをしたときの身体の傾きが変わることがあります。 素足ではまっすぐ立てるのに、靴下を履くと身体が大きく傾く。 その違いが確認できれば、走り方だけでなく、足と地面の間にある用具も確認する対象になります。

靴下の違いだけでも、片足立ちの姿勢には違いが現れます。 下の画像は、開発時に身体の傾きや動作の違いを確認していたときの様子です。

※研究時の観察例です。
最後に、シューズを履いて同じ検査をします
最後に、ランニングシューズを履いて同じ片足立ちをします。 素足では安定する。 靴下を履くと傾く。 シューズを履くとさらに変わる。 このように条件を一つずつ変えると、身体そのものの問題なのか、靴下なのか、シューズなのかを分けて確認しやすくなります。 走行中の上下動は、頭や髪の動きにも現れます。 下の動画では、市販の靴下を着用した条件で、一定のタイミングに髪が跳ね上がる様子を確認できます。
ランニングの上下動が大きく見える原因を、二つに分けて考えます
1.身体が左右どちらかへ傾いて走っている
このページでは、頭の位置が身体の中央を軸に、左右へほぼ均等に移動する状態を基準に見ています。 目安として、頭の位置は中央から左右それぞれ約2.5cmずつ動きます。 ところが、「真ん中 → 左 → 真ん中 → 左」のように片側へ偏って動くと、左右の接地で身体の高さに差が生まれます。 この高低差によって、走っている姿が上下に跳ねて見えることがあります。


2.着地で膝と腰が沈み込む
もう一つが、「膝が落ちる」「腰が落ちる」と呼ばれる動きです。 身体が左右へ傾いた状態で体重を受けると、膝や腰も沈み込みます。 開発時の比較では、ラクちんソックスを履いた条件で身体の傾きが減り、腰の沈み込みも小さくなる様子を確認しています。 つまり、上下動を見るときは、腰だけを見るのではなく、その前に身体が左右へ傾いていないかを確認します。

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走り方がおかしいと感じたら、素足から順番に確認します
自分の走り方がおかしい、腰が落ちている、上下動が大きいと感じたら、まず片足立ち検査をしてみてください。 所要時間は3分ほどです。 素足で確認する。 次に靴下を履く。 最後にシューズを履く。 この順番で条件を変えると、どこで身体の傾きが変わるのかを確認できます。

開発時には、視線や荷物の上下動についても感想が寄せられました

月間200キロ程度、9年走っています。以下ソックスの感想です。 足にぴったりフィットします。他のソックスとは全く違います。 荷物を背負って走ってもリュックの上下動が少ないです。 視線の上下動が少なく疲れません。 姿勢が整います。体が真っすぐになっていくのがすぐにわかります。 足の指に出ていた痛み等のトラブルが無くなりました。 とにかくバランスを取るのが楽です。登山でも使ってみたいと思います。 1足しかないのでもったいないです。早く販売して下さい。
※販売前に寄せられた個人の感想です。
走行時の動作比較動画
補足|腰が落ちる現象を、足元から続く力学として考えます
まぼろし工房では、ランニングや片足スクワットで支持脚側の骨盤が下降する「腰落ち」を、股関節の筋力だけではなく、足元から続くアラインメントの変化として考えています。 大きく分けると、次の三つの要素です。
1.足元の傾きによって、身体を支える位置が低くなる
立脚時に身体が外側へ大きく傾くと、足部では距骨下関節の回内、内側への倒れ込み、脛骨の傾きなどが連続して起こります。 その結果、支持脚側の高さが低くなり、骨盤を支える位置も下がります。 原文では、この構造的な高さの変化を約2〜3cmと考えています。
2.股関節外側の干渉を避けるため、体幹が前へ動く
外側への傾きが大きくなると、股関節外側では大転子と骨盤外側の位置関係も変わります。 その干渉を避けるように体幹が前傾すると、大転子の軌道は後方へ移動します。 この体幹前傾も、腰が低く見える動きの一つとして考えています。
3.外側の筋肉が、身体を持ち上げる働きから張力で支える状態へ移る
さらに身体が傾くと、中殿筋、小殿筋、大殿筋、腸脛靱帯などの外側組織は、身体を能動的に持ち上げる働きよりも、張力によって倒れ込みを支える状態へ移っていきます。 原文では、この状態を「ワイヤーロープ状の受動張力構造」と表現しています。 つまり、腰落ちは一つの筋肉だけで起きる現象ではなく、 足元の傾き → 支持脚の高さの低下 → 体幹前傾 → 外側組織による受動的な支持 という連鎖として考えています。
左右の傾きと腰落ちを、身体と用具の両方から確認します
ランニング中の上下動は、「上下に跳ねないようにしよう」と意識するだけでは原因が分かりません。 まず、片足で立ったときに身体がどちらかへ傾いていないかを確認します。 次に靴下を履く。 そしてシューズを履く。 条件を一つずつ変えると、身体の傾きがどこで変わるのかが見えてきます。 走り方を見るときは、身体だけでなく、身体と地面の間にある用具まで含めて確認する。 それが、まぼろし工房で行っている考え方です。
👉️片足立ち検査 👉️ランニングエコノミー 👉️まぼろし工房の足部工学理論
