80代女性を対象に、普段使用している足袋型ソックスとラクちんソックスで歩行を比較しました。
足元の条件によって、
歩行姿勢や身体の傾き、腕の振り方、歩幅にどのような違いが現れるのかを確認しています。
足袋型ソックスでは、腕を固めた慎重歩行が見られました
五本指ソックス着用時には、
両腕を伸ばしたまま、ほとんど腕を振らずに歩いている様子が見られました。
また、
歩幅は小さく、足の持ち上がりも少ない状態でした。
このことから、
ふらつきを抑えるように身体を固めた、
慎重歩行の傾向が確認できます。
ラクちんソックスでは、腕振りが自然に戻りました
ラクちんソックス着用時には、
歩行中に腕が自然に動いている様子が見られました。
足の運びも大きくなり、
身体を固めずに歩いていることが確認できます。
今回の比較では、
横揺れの数値だけでなく、
腕振り・歩幅・足の持ち上がりにも違いが見られました。
グラフは、上段が五本指ソックス、下段がラクちんソックスです。
縦軸は、身体の中心軸からの傾き角度を示しています。
0に近いほど、身体の傾きが中心に近い状態です。
ラクちんソックスでは、身体の中心に近い位置で歩いていました
今回の比較では、
五本指ソックスでは体軸が右側へ偏っていました。
一方、
ラクちんソックスでは、
身体の中心(0°)に近い位置を基準に歩いている様子が確認できました。
| 指標 | 五本指ソックス | ラクちんソックス | 変化 |
|---|
| 中心からの平均ズレ | 0.413° | 0.363° | 約12.3%改善 |
| 平均的な傾き量 | 0.635° | 0.644° | 約1.4%増加 |
| ばらつき | 0.687° | 0.742° | 約8.0%増加 |
| 総合ブレ量(RMS) | 0.802° | 0.826° | 約3.0%増加 |
| 最大の傾き量 | 2.726° | 2.964° | 約8.7%増加 |
| 中央50%の揺れ幅 | 0.854° | 1.089° | 約27.5%増加 |
| 全体の振れ幅 | 4.353° | 4.710° | 約8.2%増加 |
揺れ幅だけでは、歩行の安定性は判断できません
この測定では、
中心からの平均ズレは小さくなった一方で、
ばらつきや全体の振れ幅は大きくなりました。
体軸が片側へ大きく偏っている場合、
その方向へは、それ以上揺れにくくなることがあります。
そのため、
揺れ幅の大小だけを見るのではなく、
身体がどこを中心にして歩いているのか、
その中心位置と揺れ幅を分けて確認する必要があります。
足元の条件を変えると、歩き方にも違いが現れました
ふらつきがあると、
脚や体幹の筋力だけに目が向きがちです。
しかし今回の比較では、
靴下という足元の条件を変えただけでも、
立ち方、歩行中の身体の傾き、
腕振り、歩幅、足の持ち上がりに違いが見られました。
なぜ、靴下の違いで歩き方まで変わるのか
では、
なぜ靴下を変えるだけで、
立ち方や歩行中の身体の傾きに違いが現れるのか。
その理由は、
足の小指と、片足で身体を支える仕組みにあります。
詳しくは、こちらのページにまとめています。
関連する比較データ
執筆・検証者:近藤祐司
足の痛み、シューズ、靴下、歩き方や走り方の問題について、
構造と動作分析の視点から情報を発信しています。
「痛い場所」だけを見るのではなく、
なぜそこに負担が集まるのか。
その仕組みを、実例や観察をもとに解説しています。
1995年に静岡県富士宮市で若葉治療院を開業。
一般治療に加え、スズキ浜松陸上部、競輪選手、三菱電機スケート部など、プロスポーツ現場でのサポート実績を積む。
医療と運動の現場から、日用品の機能性を再定義する活動を開始。
※本記事は、足元の構造や動作の変化を観察・解説するものです。
特定の疾患の診断・治療・予防を目的としたものではありません。
強い痛みや歩行困難がある場合は、医療機関へご相談ください。