シューズのアッパーの重要性
シンスプリントや足底筋膜炎、膝の痛みなど、それらを引き起こす原因はシューズのアッパーにも問題があると、私はかねがね、そう考えています。
アッパーやシューレースの形状、素材は、走りやすさやタイムに関係するだけでなく、様々な故障の誘発原因になっている事は、あまり着目されることがありません。
足の裏のアーチの低下が痛みの原因と言われることが多々あります。しかし、アーチを形成するうえで、親指をあげられること(ウィンドラス)ができることがとても重要なのです。
アッパーの形状は、ウィンドラスを妨げることがあります。
足の裏のアーチの構造
●親指を持ち上げるとアーチができる
舟状骨と拇指球にマーカーで黒い点を打ちました。二点を定規で結びました。
親指をあげると、舟状骨が定規のラインより上に上がりました(アーチが上に持ち上がりました)
親指をあげると、アーチが上に持ち上がりました。
(舟状骨が定規のラインより上に上がりました)
これを足のトラスト機構といいます
親指をあげることで、拇指球は4mm程度下がり、足首が内側に倒れこむ動きを防ぎます。また、着地する瞬間の足の裏を硬くして衝撃に負けない足の裏をつくります。
●指が動かせることの重要性
シューズの中の足の形
プロのランナーに質問しました。
「足を着く時、シューズの中の足はどんな形ですか?」
「僕はこうですね」
間髪入れずに答えてくれました。
踵(かかと)の骨は、アキレス腱を介し膝の上まで筋肉で繋がっています。
足の裏の筋肉は、足の指から踵の骨につながっています。
ウインドラスによる巻き上げ機構
指が持ち上げられ、踵の骨が前方に移動し、それに付くふくらはぎの筋肉が張力を増し、
膝関節から足首関節、および足の骨を一時的に固定し、着地する時にグラグラしないように、
関節を安定させてているんですね。また、親指をあげることにより、足の裏は、着地の衝撃にたえられるように強度を増し、衝撃を前に進む力に変換します。これをウインドラスによる巻き上げ機構といいます。
●アッパーが指を押さえると
シューズのアッパーが、足の指を押さえてしまうと、足のアーチは正しく形成されず、前に進みにくくなるだけでなく、膝や足首を安定させることができず、足首の倒れ込みがおきたり、また、足の骨が着地の衝撃に耐えられず、疲労骨折などを誘発します。