坂道ダッシュの重要性
同じ平地でもフォームは変化します。
トレーナーで、選手の後ろを車で帆走することがあります。
後ろから見ているとよく解るのですが、
登りの後の平地はフォームが良くなり、
下りの後の平地はフォームが崩れます。
トレーナー業務で、選手の後ろを車で帆走することがあります。
登りの後の平地はフォームが良くなり、下りの後の平地はフォームが崩れます。
1)フォーム観察
運動歴のない人に走ってもらいました。
時速6キロ(キロ10分ペース)で1分間でフォームを観察しました。
2)負荷をかけました。(フォーム修正)
6%の斜度(軽い坂道)で30秒間走りました。
時速は同じ6km/hです。
3)元の負荷に戻して計測しました。
再び、元の状態にもどしてから走り方の違いを計測しました。
●フォームを比較してみます。
- 負荷をかける前は、右に左にフラフラとはしっていました。
- 負荷をかける前は左足(向かって右足)で蹴るときに、体が傾斜しました。
- 負荷をかける前は左膝(向かって右膝)が外に開きました。
負荷を30秒かけただけで、それらの動きが修正されました。
修正前の動きです。
- 左足の立脚期で体幹が傾斜しました。
- そのバランスをとる動き(カウンタームーブメント)により、右モモが外にでます。
さらにバランスを崩した時には、右足が体幹軸より内側に入り、大きく足首を捻ります。
走行時の足首には、全体重の1.5倍近くが乗ります。
下りやカーブでは、もっと大きな負荷がかかります。
自分の体重を想像して下さい。
曲がって地面に着いた足首に、自分の全体重以上の重さが加われば、生体工学的な動きは失われ、衝撃・荷重の分散、放出が上手く行えずに、足は壊れてしまいます。
体にはたくさんの筋肉があります。
例えば足首を伸ばす動の中で、主に働く筋肉(主動作筋)は、腓腹筋、ヒラメ筋ですが、実はそれ以外にも、第三腓骨筋、後脛骨筋、足底筋、長母趾伸筋、短母趾伸筋など、多くの筋肉が関与します。
単純に歩く、走るだけなら主に働く筋肉だけで走れてしまいますが、負荷をかけたときに、サボっていた筋肉が目を覚まし、使われ始める、いわゆる「スイッチが入っていなかった筋肉」にスイッチが入ります。
主動作筋以外の、細かい筋肉(補助筋)こそが、体の動きの中で細かいバランスをとる際に活躍する筋肉です。
大変な動作をすることで、動かすのを忘れていた筋肉にスイッチが入り、稼働し始めたことで、大味だった動きが人間本来の動きに修正されたことで、細かいバランスがとれるようになりました。
昔からスポーツ競技のトレーニングで行われてきた坂道ダッシュ、階段ダッシュは筋力や心拍数のトレーニングだけでなく、捻挫などの怪我や故障を防ぐだけでなく、パフォーマンスを向上させる、そんな役割もあるんですね。
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