アンクルロッカー


アンクルロッカー

一度足の裏が地面に接地すると、足首の関節は、前進を続けるための支点となります。

足首の関節を回転軸としてスネの骨・及び身体を前に進める生理的な動きをいいます。

 

 

力を使わなくても前に進みます。


足首の関節を軸に、スネの骨(脛骨)を棒高跳びの棒のように使って前に倒れ込むので、力を使わなくても前に進むことができます。

重力が作り出す体を前に回転させるうごきです。


ミッドスタンス

スネが、地面に対して直立位になる位置を、ミッドスタンスと呼びます。

 

地面に対して、膝の高さが最も高くなり、ミッドスタンスを堺に、膝の高さは低下していきます。

ミッドスタンスを過ぎると、足の筋肉は アンクルロッカーを止めるためにブレーキとして使われはじめます

アンクルロッカーが働くと、スネの骨は前方に倒れ込みます。

 

前脛骨筋は、スネの骨が倒れ込む速度を減速し、調整する役割りをしています。

 

前に突っ込みすぎるランニングフォームや、ドロップ角度がきついシューズを履くと、前脛骨筋に負担がかかります。

また、前脛骨筋が疲弊し、筋力を失うと、スネの骨の倒れ込む速度の抑制が弱くなり、膝が落ちる現象がでます。

 

 

 

その際には、大腿四頭筋などに過度な負担がかかり、オスグッドをはじめ、膝の痛みの原因にもつながります。また、スネの骨の前方への倒れ込みを防ぐことができないと、アキレス腱は過剰に伸ばされる事になり、アキレス腱炎などを誘発します。

さらに、足首関節の背屈角度が深くなると、足の裏のアーチは低下し、アキレス腱にかかる張力を逃がします。その際には、足底腱膜が引き伸ばされることになり、足底腱膜炎などを誘発します。

ミッドスタンス(直立位)を境に前半と後半でエネルギーの使い方が変わります。

※アンクルロッカー
 ミッドスタンス前は、重心を高い位置へ持ち上げる為にアクセルの役割をするpositive power、ミッドスタンス後は、重力が作り出す身体を前に回転させる動きであり、ブレーキの役割となるNegative powerである。アンクルロッカーの前半は、重心を低い位置から高い位置へ持ち上げている。重心持ち上げられる事で、その後勢いがつき、前方に回転運動を起こすことが出来る。重心の位置を高くする為には、エネルギーが必要となり、膝関節の伸展運動が必要となる。それには、大腿四頭筋が働くのではなく、ひらめ筋と大殿筋の協調した働きによって、下腿に対して、大腿部を前方回転させ、膝関節は伸展位となる。後半は、そのままの速度で回転すると、重力加速により速くならないよう、ひらめ筋・腸腰筋の遠心性収縮により、速くなる速度にブレーキをかけている。同じ一連の動きの中で、屈筋と伸筋の拮抗した筋の動きの切り替わりにより制御された動きとなる。これら重心の上下運動はエネルギー効率を良くするために行われている。